10/28リサイタル終了お礼。
早くも、12月中旬を過ぎてしまいました(汗)
日々の仕事などに忙殺されてこのホームページ、ブログを始めて、なかなか更新できてませんが、年内に少しづつ、今年あったイヴェントのレポートを更新していきたいと思います。
時系列は前後してしまうとは思いますが、まずは、10月28日に行われた人生初の歌をメインのリサイタルについてお礼と、ご報告です。
今回のリサイタルでは、歌をメインとして、アントネッロに共演して頂くと言う、自分の今までの音楽人生の中で、とても大きな挑戦をしました。
ある事がきっかけで、このリサイタルをやると決め、計画し始めたのが昨年の4月でした。
そこから当日までの一年半、歌でリサイタルなんて無謀?と思うこともありましたが、歌にこんなに向き合ったのも、人生初めてでした。
リコーダー奏者をしながら、歌の中に、自分の音楽、表現もあると見出したのは、遡ること20数年ほど前でした。
もともと、歌は好きでしたが、ここまでハマるとは思いもよらなかったのが正直なところです。
なぜ、こんなに歌に興味を持ったか?
大学卒業後、初期バロックをもっと勉強したいと思ったところから始まっています。
私にとってその時の初期バロック、少し敷居の高い分野でした。
当時は、古楽界も後期バロックがメインで、今ほど初期バロック以前の音楽が盛んではなかったので、どこで勉強するのが良いのか迷っていました。
そんな中で、出会ったのが、アントネッロの音楽でした。
初めて聴いた時は、大衝撃!何てドラマチックで、格好良い音楽なんだろう!
直ぐにアントネッロの大ファンになりました。
ラッキーな事に、それから間もなく、友人からアントネッロ主催の濱田芳通先生指揮、指導のLa Voce Orficaと言う合唱団があるのだけど、見学に来てみないか?と誘われたのが、初期バロック以前の音楽、歌を勉強するきっかけとなりました。
もし、アントネッロとの出会い、La Voce Orficaとの出会いがなければ、初期バロック以前の音楽を勉強し、歌を歌うという選択肢はなかったかもしれません。
そう考えると、この出会いに、とても感謝しています。
このLa Voce Orficaという合唱団は、基本的に、中世、ルネサンス、初期バロックまでの宗教曲を中心に取り上げており、毎週、濱田先生の音楽観を感じられるレッスンを受けられる最高の音楽活動の場でした。
そこで歌いながら、時には、合唱中にソロを歌わせてもらう機会を頂いたりと、少しづつ歌と向き合ってはいたのですが、もっとソロを歌いたいと思ったのは、10年程前でした。
私の所属するリコーダーアンサンブル・ステラで、10年前に、中世作品を取り上げるプログラムを組んだ事がありました。
基本的に、中世は、声楽作品で、しかも、違う音色のする楽器(ハープ、プサルテリー、オルガネット、フィドルなど)が入らず、同属のリコーダーのみで演奏すると音色が単調になってしまう事から、メインの声部だけでも歌い、構成や音色に変化をつけたいと思ったのがきっかけで、濱田先生へレッスンをお願いしたのが、ソロの勉強の始まりでした。
そこから、10年の間に、初期バロック以前の様々な作品を歌わせて頂きました。
中でも、特に、初期バロックの作品は、時代的にもエネルギッシュで、ドラマチック、そして、美しさを兼ね備えた作品が多く、技術的にも、言葉的にも難易度は高いのですが、とても魅力的な作品が多い事からコツコツその時代の作品を勉強し、歌い貯めて来ました。
そして、昨年、信頼の置ける、尊敬している方から、歌をメインのコンサートをやってみては?とアドヴァイスをいただき、その言葉が背中をしてくれ、一念発起をし、人生初の歌のリサイタルをやろうと決めたわけです。
が、そこからが、また、修業の日々。
今まで、一回のコンサートを一人で歌い切った経験がないなどの不安もあり、先ずは、少しでも経験を積まなくてはと、昨年7月に、大きな舞台での人生初、歌での公開レッスンを受けてみました。
石橋メモリアルホールで行われた、波多野睦美さんによるイタリア古典歌曲の公開講座。
公開講座と言え、600人キャパのメモリアルホールの広さで、ソロを1曲歌うのは初めてなので、良い経験になると思い勇気を出して申し込んでみたのですが、周りの受講者は、声楽家や、声楽をしっかり勉強している方ばかり。場違いなところへ来てしまったかもしれないとドキドキしました。
ただ、歌わせて頂くと、メモリアルホールの響き、お客様の好意的な空気に助けられ、楽しみにながら終えられたのは、良い経験と少しだけ自信になりました。
そこで、沢山の課題も見えたので、そこから、怒涛の声楽レッスン祭り。
素晴らしいソプラノ・阿部早希子さんへ声楽テクニック、発音、身体の使い方などを教えて頂きながら、音楽作りは、濱田先生へレッスンして頂き、今回取り上げる作品は全て暗譜をすると決めて、取り組んできました。
リサイタルの共演は、アントネッロの先生達以外に考えられず、やるならば好きな時代を取り上げたいと、プログラムは、初期、中期バロックのイタリアの作品にしました。
作品を決めてから直ぐにぶつかったのは、言葉の壁。
初期バロックの作品は、レチタール・カンタンドと言う、喋る様に歌うことが必要とされるものがメインなので、とにかく、言葉数が多い。
後期バロック、それ以降の声楽作品の何倍もの言葉を覚えなくてはならないと言う現実に、この時代をやると決めながら迷いが出たことも。
何度喋って、覚えたと思っても、どこか間違えたり、抜けたり、言葉が混ざってしまったりと、本当に覚えらるのか?と気が遠くもなりました。
また、音楽そのものも、その言葉として聞こえるように語りのように作ってあるので、メロディックなものより演奏するのも、面白くするのは数倍難しく、それをどうやってお楽しみいただくか、必死に取り組みました。
準備は、とても大変ではありましたが、蓋を開けてみると、コンサート当日は、暗譜して良かった!
暗譜にしたからこそ、音楽に感情移入もでき、集中できました。
そして、少しだけ芝居を入れられたのが、お客様の気持ちもリラックスさせた様で、会場の空気が和み、暖まり、結果、お楽しみ頂けたのが、私にとっても大きな音楽的収穫と励み、喜びになりました。
また、自分にとって大きな挑戦をアントネッロの先生達にご共演頂けたことで、音楽的にも、いつかやっていたかった様々な試みが実現出来、想像以上のパフォーマンスになりました。
音楽経験として大変贅沢な時間を過ごさせて頂き、アントネッロの先生達には、感謝の念に堪えません。
来てくださった方が、SNSへこのコンサートのことを書いてくださいました。
リサイタルに向けて、頑張った時間が、終わってしまうと、若干、虚無感がありましたが、この経験を持って、また、新たな目標を持って、リコーダー、歌、共に邁進、精進したいと思っています!
今後とも宜しくお願い致します!
頂いたお花🎶ロビーが華やかになりました。
聴きに来てくれたgmtメンバー、ガンバ奏者のなかやまはるみさん、他。来てくれて心強かった!
打ち上げも盛り上がりました⭐︎アントネッロの先生に加えて、gmtメンバーのチェンバロ奏者・矢野薫さん、静岡から大学の同級生のリコーダー奏者・海野文葉さん、海野さんのお友達の大石侑子さん。