10/28 細岡ゆきリサイタル♪
久々の更新になります。
書きたい記事が溜まっているのですが、先に、近々のコンサートのご案内をさせて下さい。
今週の土曜日10/28に、人生初歌をメインとしたリサイタルをさせて頂きます。
取り上げる作品、時代は、17世紀イタリアの世俗作品です。
私が、歌を初めたきっかけは、大学を卒業して2.3年ほど経ってから、今回、ご共演いただくアントネッロの濱田芳通先生が指揮、指導されている、La Voce Orficaという合唱団に入ったところからでした。毎週、中世から初期バロックの主に宗教曲を演奏する中で、どんどん後期バロックとは違った音楽構造(ポリフォニーや、旋法的響きなど)の音楽にハマって行きました。
そんな中で、自分の入っているリコーダーアンサンブルグループで、中世の作品を演奏する機会があり、もともと中世の作品は、声楽曲がメインなので、その作品の定旋律(テノールパート)だけでも歌ってみたいと思い、10年前から、濱田先生に、合唱のみならず、中世から初期バロックまでの演奏解釈とともにソロの歌を習い始ました。
この10年で、中世のほか、さらに進んだバロック時代までの作品も歌うようになりました。
特に、今回取り上げる、イタリア初期バロックの作品がとても魅力的で好きになりました。
この初期バロックという時代は、ルネサンスからバロックへの過渡期であり、声楽曲から派生して、現代にまで繋がる大きな音楽構造の変化がもたらされた時代でもありました。
それまでの声楽曲は、言葉の意味やアクセントの長短に関係なく作られていたのが、その言葉の長短に即したリズムをつけ喋るように歌う、レチタール・カンタンドと呼ばれる形式が生まれ、意味をデフォルメする修辞学的音形がつけられたりするようになったことで、より言葉の意味がダイレクトに伝わるようになり、聞き手の感情を揺さぶるダラマチックな表現ができるようになりました。
また、1600年、フィレンツェの人文主義者や、音楽家、詩人などが集う文化人サークル的存在のカメラータで、ギリシャ時代の精神を再現すべく、その当時のような音楽劇を復元しようという動きから、オペラが作られ、バロック時代の幕開けとなりました。その頃に、多声音楽から脱却し、1番上の旋律と通奏低音だけで演奏する、フランスのエール・ド・クールから影響を受けて、イタリアで発展したモノディー様式も生まれ、言葉も明瞭に聞こえることから、音楽が人の感情に直接的に訴えかけるものになってきました。
今回、取り上げる作品は、そのような時代の音楽なので、言葉数も多く、エネルギーもあり、劇的なだけでなく美しさもありと素晴らしい作品ばかりです。
そして、何と言ってもご共演頂く、濱田芳通先生、西山まりえ先生、石川かおり先生のアントネッロがこの時代のスペシャリストであることから、既存の演奏にとどまらず、即興の妙技もお楽しみいただけること間違えなしです!
即興に関しても、この17世紀頃までは、普通に、盛んに行われていたことなのですが、現代の特にクラシック畑の人間は、やろうとするのはなかなか難しく、特に日本では平板な演奏がよく聴かれます。
アントネッロは、それを見事に、しかもカッコよく実現してくれます。まるでJazzのように。
17世紀の音楽は、まだ、旋法的響きと和声的な音楽づくりの折衷なので、まさにJazzのように聞える時もあります。
そんな、最高の共演者とご一緒できる、幸せを感じながら、多くの方へお聴きいただければ嬉しいと思っております。
もし、ご興味のある方がいらっしゃいましたら、このHPでもメッセージを受け取れますので、ご連絡ください。